始まりの前(スコアボードのつぶやき)

なじらね~

e0156339_23234833.jpg

試合が始まった。

どちらの手が先に

1と書かれた数字カードを拾い上げて私の上にに貼りつけるのだろうか。

誇らしくか、

それとも不安をもってか。


打球音がどんどん積み重なり太陽の位置がどんどん高くなっていき

私を持ち上げる手が重くなってもゲームセットの声はまだ聞こえない。

まるで時間が止まっているようだ。


もう何回私を取り替えただろう。

ある時はやさしくある時は叩きつけるように。


私の前で深い呼吸を繰り返したのは?

私を背にして奮い立とうとしたのは?


気と気がぶつかる息をのむ瞬間。

ラケットが風を切る音。

シューズとコートが擦れる熱。

応援する仲間たち。

いつものようにそのすべてを黙って見ている。


そして私に額をぶつけて意味の分からない言葉をつぶやいたあと、

ネットに向かって静かに歩み寄り握手を交わしたとき、私はまた新

しい自分に戻る。


そして、蝉の鳴き声のなか、次の試合の始まる時をじっと待つ。




[PR]
by jumbozaki-625 | 2013-08-02 23:52 | テニス | Comments(0)

人と人との出会いを紡ぐテニスが大好きです!


by jumbozaki-625
プロフィールを見る
画像一覧