小倉からさらに南下 2012/3/16
2012年 03月 16日
一年前、腰部脊柱管狭窄症で全く動けなくなったとき、朝、ベッドから起き上がるのに決死の(と言ってもいいくらい)覚悟が必要だった。
いかにしてあの激痛を引き起こさずにベッドから起き上がるか?
(寝返りを打とうとする度に痛みで目覚めるので実際のところ睡眠は取れてはいないのだが)目を覚ましさあ起きようと覚悟してから先ずすることは体を横向きにして両膝を曲げ、痛みの一番少ない体勢を作ること。
そうしてからでないと冷静な思考ができないくらいに痛みに対する恐怖心が肥大していた。
その恐怖心はこの体勢をとるのにすら十分な時間をかけさせる。
深呼吸をしながらそろりそろりと動きようやく落ち着いたところで…頭の中でロールプレイングを何度も繰り返す。
痛みを引き起こさずに起き上がる手順の。
横向きになり両膝を抱え込むような姿勢で予習をしながら、その格好が羊水に浮かぶ胎児のように思えて、俺はこれから生まれるのかよ!などと思ったりもした。
親指をしゃぶってはいなかったけど。
情けないという思いはあったがそれに打ち勝つことは不思議とすぐできた。
さあ、準備はできた。
ロールプレイングしたように、一つずつ少しずつ…。
言うまでもなくこの作業はうまくいく日もあればいかない日もあった。
うまくいかなければ激痛が走る。
うまくいけば、そう、大きな充実感、達成感があった。
痛みを避けたいという思いはもちろんのこと、この達成感は大きなモチベーションになっていったような気がしてならない。
うまく起き上がることができた時は思わず飛び上がりたいような嬉しさが込み上げる。
もちろん飛び上がったら大変なことになるんだけど。
毎日、毎朝こんなことを繰り返しながら、カミさんは単身赴任で普段はいないから助けを呼ぶこともできず、サバイバル状態の中で私のしぶとさは成長していった気がする。
痛みを誘発する体の動かし方があるということ、これが大きなヒントになった。
つまり痛みを誘発しない体の動かし方が必ずあるということ。
自分の身体に聞くしかなかった。
それがよかったのだと思う。
ながながと書いたが、テニスも同じではないかと思う。
(ようやくテニスにたどり着きました!)
あ、練習や指導が不要だと言っているわけではありませんので念のため。